住宅会社の分析レポート

問い合わせの「数」ではなく「契約までの流れ」を、毎月見ていますか

シンミドウは、ホームページの保守に月次の分析レポートを付けてお届けしています。本記事はそのレポートから、社名と地域を伏せて数字だけを抜き出したものです。実物のサンプル(A4で12ページ前後)は無料でご覧いただけます。

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この記事の結論

反響の66%(199件)は見学会などのイベント予約でしたが、そこからの契約率は2.0%でした。一方、モデルハウスの予約は14.3%、プラン集の会員登録は11.8%。反響の18%にすぎないこの2つが、契約の64%を生んでいました。反響の件数を増やす施策と、契約を増やす施策は別物です。

本記事でわかること

  • イベント予約199件 → 契約4件(2.0%)。反響の66%を占めるが、契約は全体の36%
  • モデルハウス予約21件 → 契約3件(14.3%)、プラン登録34件 → 契約4件(11.8%)
  • 資料請求29件・その他の問い合わせ18件からの契約は、この期間は0件
  • Meta広告(Instagram・Facebook)は反響の44%を生んだが契約率は2.3%。自然検索は6.0%
  • 1契約あたりの広告費は Google 広告 約71万円、Meta 広告 約761万円で約10.8倍の差

この集計について|「反響の数」ではなく「契約」で入口を比べる

住宅会社のホームページには、申込の入口がいくつもあります。見学会やイベントの予約、モデルハウスの来場予約、資料請求、プラン集の会員登録、一般的なお問い合わせ。多くの会社では、これらをまとめて「今月の反響は何件」と数えています。

今回は、当社が月次の分析レポートをお届けしている注文住宅会社1社(以下、A社)の反響301件を、入口の種類ごとに分けて、それぞれが契約までどう進んだかを集計しました。期間は2026年1月1日から9月12日まで、反響301件のうち契約は11件です。

結論から言うと、反響が一番多い入口と、契約が一番生まれる入口は別でした。

この集計について|「反響の数」ではなく「契約」で入口を比べる

イベント予約は反響の66%、でも契約率は2.0%

入口ごとの内訳は次のとおりです。

もっとも多かったのは見学会などのイベント予約で199件、反響全体の66%を占めました。ところが、ここから契約に至ったのは4件で、契約率は2.0%です。

対照的なのがモデルハウスの来場予約です。反響は21件と少ないものの、そこから3件の契約が出ており、契約率は14.3%。プラン集の会員登録も34件から4件(11.8%)と高い数字でした。この2つを合わせると反響55件(全体の18%)で、契約は7件。契約全体の64%をこの2つが生んでいます。

資料請求(29件)とその他の問い合わせ(18件)からは、この期間の契約は出ていません。

イベント予約は反響の66%、でも契約率は2.0%

閲覧行動から出した見込みスコアの平均(100点満点)

  • プラン登録 ── 56点
  • 資料請求 ── 39点
  • モデルハウス予約 ── 38点
  • イベント予約 ── 18点
  • その他の問い合わせ ── 12点

申込の種類別|反響と契約(2026年1月1日〜9月12日)

申込の種類 反響 構成比 契約 契約率
イベント予約 199件 66.1% 4件 2.0%
プラン登録(会員登録) 34件 11.3% 4件 11.8%
資料請求 29件 9.6% 0件 0%
モデルハウス予約 21件 7.0% 3件 14.3%
その他の問い合わせ 18件 6.0% 0件 0%
合計 301件 100% 11件 3.7%

※ 注文住宅会社1社(社名・地域は非公開)の集計です。契約件数が少ないため、契約率は1件の違いで大きく動きます。

なぜ差がつくのか|入口ごとに「検討の深さ」が違う

見込みスコア(閲覧ページ数・滞在時間・訪問回数から出す0〜100点)の平均を入口ごとに見ると、理由が見えてきます。イベント予約の平均は18点、プラン登録は56点でした。

見学会は、家づくりを考え始めたばかりの人でも気軽に申し込めます。週末の予定として予約し、サイトはほとんど見ていない、という人も多いはずです。反響の数を集めるには向いていますが、そのぶん検討の浅い人も多く混ざります。

一方、プラン集の会員登録やモデルハウスの予約は、すでにその会社の家を具体的に見たいと思っている人の行動です。申込の手間がかかるぶん、ふるいにかけられた人が来ている、と読めます。

だからといって、イベント予約が無駄だということではありません。イベント予約からも4件の契約が出ていますし、最初の接点としての役割があります。問題は、イベント予約の件数を目標にしてしまうことです。件数だけを追うと、契約につながりにくい反響を増やす方向に予算と手間が流れていきます。

なぜ差がつくのか|入口ごとに「検討の深さ」が違う

125サイトで見ると|問い合わせの内訳は一般の問い合わせ52%・来場予約25%

1社だけでなく、全国の工務店・住宅会社125サイトのGA4データ(2025年9月〜2026年8月)でも、問い合わせの種類ごとの割合を集計しました。問い合わせの計測が正しく設定され、年20件以上の完了があった71サイトで、サイトごとの構成比を平均すると、一般の問い合わせ52.3%、来場・見学予約25.1%、資料請求17.1%、電話4.2%、LINE1.4%でした。

入口のページで見ると、イベント・見学会のページから入った人の問い合わせ率は0.73%、モデルハウス・展示場のページは0.33%でした(サイトごとの中央値)。見学会のページは人を集めやすく、問い合わせにもつながりやすい入口です。だからこそ、その先の契約率まで分けて見ないと、件数の多さに判断が引っ張られます。

流入経路で見ると|Meta広告は反響を生むが契約率は2.3%

同じ301件を、どこから来たか(流入経路)で分けると、もう1つの傾向が見えました。

Meta広告(Instagram・Facebookの広告)からの反響は131件で全体の44%を占めましたが、契約は3件で契約率は2.3%、見込みスコアの平均は14点で、全経路のなかでもっとも低い数字でした。

対してGoogleなどの自然検索からの反響は83件で契約5件(6.0%)。広告全体(165件・契約5件・3.0%)と同じ契約数を、半分の反響で出しています。Google広告は30件から2件(6.7%)でした。

広告費で見ると差はさらに開きます。SCOPEで集計した1契約あたりの広告費は、Google広告が約71万円に対し、Meta広告は約761万円で、約10.8倍です。

Meta広告は、まだ家を建てる会社を探し始めていない層にも届くのが強みです。その結果、反響の数は稼げても、検討の浅い段階の人が多く含まれやすくなると考えられます。広告の良し悪しを「反響単価」だけで判断すると、この差は見えません。Google広告の運用については工務店がGoogle広告で問い合わせを増やす方法もご覧ください。

流入経路別|反響と契約(同期間)

流入経路 反響 契約 契約率 見込みスコア平均
Meta広告 131件 3件 2.3% 14点
自然検索(Google) 60件 2件 3.3% 42点
Google広告 30件 2件 6.7% 40点
ダイレクト 28件 0件 0% 17点
その他の参照元 25件 1件 4.0% 20点
自然検索(Yahoo!) 21件 2件 9.5% 42点
Yahoo!広告 4件 0件 0% 41点
自然検索(Bing) 2件 1件 (母数2件) 52点
自然検索 計 83件 5件 6.0% ―
広告 計 165件 5件 3.0% ―

※ 見込みスコアは閲覧ページ数・滞在時間・訪問回数から算出した0〜100点の値です。

明日からできる3つのこと

1社のデータから言えることには限りがありますが、多くの住宅会社で試せることは次の3つです。

1つ目は、反響を入口ごとに分けて数えることです。「今月の反響は何件」ではなく、イベント予約・モデルハウス予約・資料請求・会員登録を別々に数え、それぞれがアポ・商談・契約にどう進んだかを記録します。表計算ソフトで十分です。

2つ目は、契約率の高い入口への導線を太くすることです。A社のサイトでは、モデルハウスの来場予約ボタンがグレーで目立たず、押しても一覧ページを経由する遠回りの作りでした。契約率が高い入口ほど、サイトのどこからでも迷わずたどり着けるようにします。

3つ目は、広告を「1契約あたりの費用」で比べることです。反響単価だけで比べると、Meta広告のように反響を多く生む媒体が得に見えます。契約まで追いかけて初めて、どの媒体にお金を寄せるべきかが決まります。

反響を記録するときの最小限の項目

  • 申込日・申込の種類(イベント/モデルハウス/資料請求/会員登録/問い合わせ)
  • 流入経路(自然検索/Google広告/Meta広告/紹介など)
  • アポ・商談・契約・失注の日付

この数字の限界

A社の反響301件のうち、営業の結果(契約・失注)のステータスが記録されていたのは13件だけで、288件(95.7%)は未入力でした。記録漏れの契約がある可能性があり、ここで出した契約率は実態より低く出ているかもしれません。また1社・約9か月分のデータで契約は11件と少なく、入口ごとの契約率は1件の違いで大きく動きます。他社にそのまま当てはまる数字ではなく、入口ごとに分けて見るとここまで違うという例として読んでください。

広告費については、7月以降の広告費がSCOPEに入力されておらず、1契約あたりの広告費は1〜6月の入力分をもとにしています。

まとめ

  • 反響の66%はイベント予約だったが、契約率は2.0%
  • モデルハウス予約は14.3%、プラン登録は11.8%。反響の18%で契約の64%を生んでいた
  • Meta広告は反響の44%を生んだが契約率2.3%。自然検索は6.0%で、広告と同じ契約数を半分の反響で出した
  • 1契約あたりの広告費は Google 広告 約71万円、Meta 広告 約761万円
  • 反響は入口ごとに分けて数え、広告は1契約あたりの費用で比べる

反響の件数は、目標としていちばん分かりやすい数字です。しかし、件数の多い入口と契約の生まれる入口は一致しないことがあります。まずは今月の反響を入口ごとに分けて、どこから契約が出ているかを確かめてみてください。

著者:株式会社シンミドウ 住宅・工務店支援チーム

株式会社シンミドウ(2008年設立・埼玉県さいたま市)は、全国の工務店・住宅会社の集客と採用を支援しています。自社開発のWeb分析基盤「SCOPE」で問い合わせ1件ごとの閲覧行動を記録し、アポ・商談・契約までを追いかける月次レポートをお届けしています。本記事の数値は、当社がレポートを提供している住宅会社1社(社名・地域は非公開)の2026年1月1日〜9月12日の集計値です。個人を特定できる情報は一切含んでいません。

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本記事の数字は、当社が毎月お渡ししている分析レポートの実データです。ホームページ保守「シンミドウAI保守」は、問い合わせ1件ずつをアポ・商談・契約まで追いかける月次レポート付きで月額30,000円(税別)から。社名を伏せた実物サンプルは、フォーム送信後すぐにダウンロードできます。県外の住宅会社様にもオンラインで対応しています。(分析と改善提案のサービスで、問い合わせの増加を保証するものではありません)

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