採用のご相談

「募集は出しているのに、応募が来ない」を採る層から見直しませんか

シンミドウは埼玉県さいたま市を拠点に、地域の中小企業の採用を支援しています。新卒・中途だけでなく、高卒・パート・シニア・外国人材まで含めた採用計画の設計から、求人票の書き直し・選考設計・受け入れ体制づくりまで一貫してご相談いただけます。「どの層を狙うべきかの整理だけ」でも構いません。

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この記事の結論

採用計画は「何人採るか」から始めると必ず狂います。退職で何人減るかを先に置き、そのうえでどの層に、いくらの単価で、いつ配分するかを決めてください。採用単価は層ごとに大きく違うため、一律の予算では層を広げられません

本記事でわかること

  • 必要採用数=事業計画上の増員+退職による欠員。退職の見込みを入れないと毎年不足する
  • 採用単価(1人あたりの費用)は層ごとに大きく異なる。同じ予算枠で比べると、単価の高い層が常に切られる
  • 予算は媒体費だけではない。人材紹介料・イベント・制作物・社内の人件費まで含めて把握する
  • 評価は入社数だけでなく、歩留まり(どの段階で落ちているか)で見る

必要採用数を出す|増員だけを見ると必ず足りなくなる

採用計画の出発点は必要採用数です。多くの会社が「来期は3名増員」といった事業計画上の数字だけで採用を始めますが、これでは足りません。実際には、その間に退職者が出るからです。

必要採用数は、事業計画上の増員数に、退職による欠員の見込みを加えた数になります。退職の見込みは、過去3年程度の退職者数の平均から算出するのが現実的です。在籍者数に対する退職率で見ておくと、組織が大きくなったときにも計算できます。

この計算をすると、「3名増員」のつもりが実際には「6名採用しないと3名増えない」という状況が見えてきます。この差を認識せずに採用を始めるから、年度末に「採用したのに人が増えていない」という結果になります。また、この数字が出ると「採用より定着に投資したほうが早い」という判断ができる場合もあります。採用計画は、定着施策の必要性を裏づける材料にもなります。

必要採用数を出す|増員だけを見ると必ず足りなくなる

必要採用数の算出手順

  • 事業計画上の増員数を確認する:部門別・職種別に分けて出す
  • 過去3年の退職者数を集計する:在籍者数に対する退職率で見ると精度が上がる
  • 必要採用数=増員数+退職見込み数:これが実際に採るべき人数
  • 職種別に分ける:全社の合計だけでは、どこに手を打つべきか分からない
  • 採用と定着を比較する:退職を1人減らすほうが、1人採るより安く済むことは多い

層ごとの単価差を把握する|一律の予算では層を広げられない

採用ターゲットを広げようとする取り組みが社内で止まる原因の多くは、予算の見方にあります。採用単価を全社一律で管理していると、単価の高い層への投資が常に否決されるからです。

実際には、層によって採用単価は大きく異なります。経験者を人材紹介で採用すれば、紹介手数料は理論年収の数割に及びます。一方、パート・アルバイトの募集は1件あたりの媒体費が比較的抑えられます。高卒採用は媒体費こそかかりませんが、学校訪問に費やす人件費と、成果が出るまでの年数を計算に入れる必要があります。

重要なのは、単価の高低で層を評価しないことです。見るべきは、その層を採用したときに何が解決するかです。単価が高くても、その1人が入ることで残業が減り、既存社員の離職を防げるなら、投資として合理的です。層ごとに予算枠を分け、それぞれの目的と評価基準を決めてください。

層ごとの単価差を把握する|一律の予算では層を広げられない

層ごとに分けて管理する項目

  • 予算枠を層ごとに分ける:同じ枠で比べると、単価の高い層が常に切られる
  • 単価だけでなく解決する課題を書く:その1人が入ると何が変わるのか
  • 成果が出るまでの期間を明記する:高卒採用や外国人材の受け入れは、初年度に成果が出にくい
  • 人件費も計上する:学校訪問・面接・受け入れ準備にかかる社内の時間も費用
  • 助成金の見込みは別枠にする:受給できなかった場合でも計画が崩れない形にする

予算に含めるべき費用|媒体費だけを見ていると足りなくなる

採用予算というと求人媒体の掲載費を思い浮かべますが、実際にかかる費用はそれだけではありません。見落としがちな項目を計上していないために、年度の途中で予算が足りなくなるケースが多く見られます。

計上すべき費用は大きく4つに分かれます。第一に募集にかかる費用で、媒体掲載費、人材紹介手数料、スカウトサービスの利用料、合同説明会の出展費用などです。第二に制作物の費用で、採用サイト、採用パンフレット、動画、会社説明資料の制作費が該当します。

第三が運営にかかる費用で、会場費、交通費、選考時の交通費支給、内定者への案内物などです。そして第四が、社内の人件費です。面接、学校訪問、説明会の運営、受け入れ準備に費やす社員の時間は、計上されないまま消えていることが多い費用です。この4つを合わせて初めて、1人あたりの本当の採用単価が見えてきます。

予算に含めるべき費用|媒体費だけを見ていると足りなくなる

採用予算に計上する4つの区分

  • 募集費:媒体掲載費・人材紹介手数料・スカウト利用料・合同説明会の出展費
  • 制作費:採用サイト・パンフレット・動画・会社説明資料。複数年使えるものは償却の考え方で配分する
  • 運営費:会場費・交通費・選考時の交通費支給・内定者フォローの費用
  • 社内人件費:面接・学校訪問・説明会運営・受け入れ準備に使った時間
  • 予備費を1〜2割置く:計画どおりに採れなかった場合の追加施策の原資

採用予算に計上すべき費用の一覧(漏れやすい項目に注意)

区分 含まれる費用 漏れやすいもの
募集費 求人媒体の掲載費/人材紹介手数料/スカウトサービス利用料/合同説明会の出展費 紹介手数料は入社時に発生するため、期をまたぐと計上漏れが起きやすい
制作費 採用サイト/採用パンフレット/採用動画/会社説明資料 複数年使うものを単年度で計上すると、初年度の単価が過大に見える
運営費 説明会の会場費/交通費/選考時の交通費支給/内定者への案内物 内定から入社までのフォロー費用が計上されていないことが多い
社内人件費 面接/学校訪問/説明会運営/受け入れ準備にかかる社員の時間 最も漏れやすい。これを入れないと本当の単価が分からない
受け入れ費 作業着・備品・研修教材/教育担当の時間 採用予算ではなく現場の経費として処理され、見えなくなりやすい
予備費 計画どおり採れなかった場合の追加施策 置いていないと、下期に打ち手がなくなる

※ 助成金の受給見込みは予算に組み込まず、別枠で管理することをおすすめします。受給できなかった場合でも計画が崩れない形にしておくためです。

年間スケジュールに落とす|層によって動く時期が違う

採用計画を年間のスケジュールに落とすとき、層ごとに動く時期が異なることを踏まえる必要があります。すべてを同時に進めようとすると、採用担当者の負荷が特定の時期に集中して破綻します。

新卒採用は前年から動き始め、インターンシップから内定、内定者フォローまで1年以上にわたります。高卒採用は、求人申込が6月、学校訪問が7月から、選考が9月という全国共通の日程で動きます。中途・第二新卒は通年ですが、転職市場が動きやすい時期には波があります。パート・アルバイトは必要な時期の1〜2か月前から動くのが基本です。

これらを1枚のカレンダーに並べると、自社の採用業務がどの月に集中しているかが見えます。そのうえで、山になっている時期の業務を前倒しできないか、外部に委託できないかを検討します。計画とは、人数を決めることではなく、こうした負荷の配分まで含めて設計することです。

年間スケジュールに落とす|層によって動く時期が違う

年間カレンダーに書き込む項目

  • 層ごとの活動時期:新卒・高卒・中途・パートで動く月がまったく違う
  • 予算の執行時期:媒体掲載や紹介手数料の発生月を月次で並べる
  • 担当者の負荷:面接・学校訪問・説明会が重なる月を特定する
  • 受け入れの時期:入社が集中する月には、教育担当の時間も確保する
  • 振り返りの時期:年に2回は、計画と実績を突き合わせる場を設ける

評価は入社数ではなく歩留まりで見る

採用活動を「何人採れたか」だけで評価すると、うまくいかなかったときに「媒体が悪かった」以上の分析ができません。改善につなげるには、選考の各段階で人がどれだけ残ったかを見る必要があります。

具体的には、応募数、書類選考の通過数、面接の実施数、内定数、承諾数を経路別に集計します。そして各段階の通過率を出すと、どこで人が落ちているのかが特定できます。

たとえば応募は多いが書類選考でほとんど落ちているなら、求人票が伝えている条件と実際の要件がずれています。面接まで進むが内定に至らないなら、選考基準か面接の進め方に課題があります。内定を出しても承諾されないなら、条件面か、選考中に十分な情報を渡せていない可能性があります。こうした特定ができて初めて、翌年の打ち手が具体的になります。

評価は入社数ではなく歩留まりで見る

集計すべき指標

  • 経路別の応募数:どの媒体・どの経路から何人来たか
  • 各段階の通過率:応募→書類→面接→内定→承諾。落ちている段階を特定する
  • 1人あたりの採用単価:総費用÷入社数。層ごと・経路ごとに出す
  • 入社後の定着率:採用の質は、入社した時点ではなく1年後に分かる
  • 辞退の理由:内定辞退の理由を記録しておくと、翌年の改善点がそのまま残る

連載のまとめ|広げる順番と、続けるための考え方

本連載では、9つの採用ターゲットを1つずつ取り上げてきました。共通しているのは、どの層も「安く人を採る手段」ではなく、競合する相手を変え、自社の仕事に合った人と出会うための選択肢だということです。

そして、どの層にも共通する前提が3つあります。仕事を切り分けられること、教える人がいること、そして休んでも回る体制があること。この3つが整っていない状態で層だけを広げても、採用した人が定着せず、現場の負担だけが増える結果になります。

最後に、続けるための考え方です。新しい層への取り組みは、初年度に成果が出ないことが普通です。だからこそ、評価の軸を「採用できたか」だけに置かないでください。訪問した学校数、相談した支援機関の数、受け入れた実習生の数、求人票を改善した回数。こうした過程の記録が残っていれば、翌年の打ち手は必ず具体的になります。

連載を通じた共通の前提

  • 仕事を切り分けられるか:工程・時間帯・難易度で分解できない仕事は、どの層でも埋まらない
  • 教える人がいるか:教育担当の時間を確保できないまま採ると、早期離職につながる
  • 休んでも回るか:特定の人しか知らない仕事があると、どんな層を採っても不安定になる
  • 1年に1つずつ広げる:同時に複数の層に手を出すと、どれも中途半端になる
  • 過程を記録する:初年度の成果は数字に出ない。記録が翌年の打ち手になる

まとめ

  • 採用計画は人数からではなく、必要採用数=増員+退職見込みから始める
  • 採用単価は層ごとに大きく違う。一律の予算枠で比較すると、単価の高い層が常に切られる
  • 予算は媒体費だけでなく、制作費・運営費・社内人件費まで含めて把握する
  • 年間カレンダーに層ごとの活動時期を並べ、担当者の負荷が集中する月を特定する
  • 評価は入社数ではなく歩留まりで見る。どの段階で落ちているかが分かれば打ち手が具体化する
  • どの層にも共通する前提は仕事の切り分け・教える人・休んでも回る体制の3つ
  • 新しい層の取り組みは初年度に成果が出にくい。過程を記録することが翌年の打ち手になる

採用計画の設計から、層ごとの予算配分、求人票や採用サイトへの落とし込みまで、シンミドウでは一貫してご支援しています。本連載の内容を自社に当てはめるとどうなるかの整理からご相談いただけます。

著者:株式会社シンミドウ 採用支援チーム

株式会社シンミドウは埼玉県さいたま市に本社を置き、県内を中心とした中小企業の採用と人材育成を支援しています。新卒採用のコンサルティング、採用サイト・採用動画の制作、合同説明会の運営、社員研修までを自社で手がけており、本連載は日々の支援のなかで実際にご相談の多いテーマを整理したものです。なお本記事は2026年9月時点で公表されている制度情報をもとに構成しています。法令・助成金・採用スケジュールは改正や年度ごとの変更があるため、実際の運用にあたっては厚生労働省・ハローワーク・所轄の労働局など公式の情報で最新の内容を必ずご確認ください。

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