外国人材の採用 完全ガイド|在留資格の全体像と2027年施行の育成就労制度への備えを中小企業向けに解説【2026年版】
No.1新卒採用コンサル社数・県内内定者数 埼玉県内No.1(2026年6月期・日本マーケティングリサーチ機構調べ)
2026年6月期_埼玉県に本社がある新卒支援企業における市場調査/調査機関:日本マーケティングリサーチ機構/調査期間:2026年4月3日~2026年6月16日/調査概要:主要12社(当社調べ)を対象とした独自調査/競合選定条件:次の①及び②を満たすもの ①「埼玉県本社の新卒支援会社」上位1-100(検索エンジン:Google、抽出日2026年02月17日)のうちコーポレートサイトがあるもの ②埼玉県に本社がある新卒支援企業の利用経験者100名を対象としたアンケート結果にて、利用検討者率が5%以上のもの又は自由回答における利用検討者率5%以上のもの/調査手法:公開情報および関係者へのヒアリング等を基に、累計データを比較・検証したものです。実際の数値とは異なる場合がございます。/備考:2026年6月時点/効果効能等や優位性を保証するものではございません。
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この記事の結論
外国人材の採用で最初に確認すべきは、本人の能力ではなく在留資格で何ができるかです。資格の範囲外の仕事をさせると、企業側が罰則の対象になります。在留カードの確認を採用プロセスに組み込むことが第一歩です。
本記事でわかること
- 在留資格は大きく、身分に基づくもの(永住者・定住者など。就労制限なし)と就労資格(従事できる業務が限定される)に分かれる
- 技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度へ移行する。既存の受け入れ企業は移行の準備が必要
- 特定技能の受け入れ分野は16分野。うち特定技能2号(在留期間の更新に上限がなく家族帯同も可能)の対象は11分野
- 留学生のアルバイトは資格外活動許可が前提で、就労時間に上限がある。許可の有無を必ず確認する
📑 Contents
在留資格の全体像|「何ができるか」は資格で決まる
外国人を雇用するとき、日本人の採用と決定的に違うのが在留資格の存在です。在留資格とは、日本に滞在して活動するための法的な区分で、資格ごとに従事できる活動の範囲が定められています。本人がどれだけ意欲や能力を持っていても、資格の範囲外の仕事をさせることはできません。
大きく分けると、まず身分または地位に基づく在留資格があります。永住者、日本人の配偶者等、定住者などがこれにあたり、就労内容に制限がありません。日本人と同じように、どの職種でも雇用できます。地域に定住している方も多く、実は中小企業にとって最も現実的な選択肢のひとつです。
もうひとつが、就労を目的とした在留資格です。専門的な知識や技術を要する業務に就く「技術・人文知識・国際業務」、人手不足分野での就労を認める「特定技能」などがあります。これらは従事できる業務が限定されており、採用前にその仕事が資格の範囲に入るかを確認する必要があります。

採用前に確認する基本
- 在留カードを実物で確認する:在留資格の種類・在留期間の満了日・就労制限の有無を見る
- 身分に基づく資格は就労制限がない:永住者・定住者・日本人の配偶者等など
- 就労資格は業務が限定される:任せたい仕事が資格の範囲内かを事前に確認する
- 資格外活動許可の有無を見る:留学生などは、許可がなければ働かせることはできない
- 不明な点は出入国在留管理庁に確認する:判断を誤ると企業側が罰則の対象になる
中小企業が関わることの多い在留資格の整理
| 区分 | 主な在留資格 | 就労の範囲 | 企業側の主な留意点 |
|---|---|---|---|
| 身分・地位に基づく | 永住者/定住者/日本人の配偶者等 | 制限なし | 日本人と同じように雇用できる。地域在住者も多い |
| 専門的・技術的分野 | 技術・人文知識・国際業務 | 専門的な知識を要する業務に限定 | 単純作業のみでは認められない。業務内容の確認が必須 |
| 人手不足分野 | 特定技能1号・2号 | 定められた16分野の業務 | 支援計画の作成と実施。登録支援機関への委託も可 |
| 育成(2027年4月〜) | 育成就労 | 人材育成と確保を目的とする分野の業務 | 技能実習から移行。転籍要件と移行措置の確認が必要 |
| 就学中 | 留学(+資格外活動許可) | 許可の範囲内での就労。時間の上限あり | 許可の有無と就労時間の管理。掛け持ちは合算される |
| 特定活動 | 特定活動(内容は個別に指定) | 指定書の内容による | 指定書を確認しないと就労の可否が判断できない |
※ 在留資格の要件・対象分野・手続きは改正されます。実際の採用にあたっては、出入国在留管理庁の最新の案内および所管省庁の情報をご確認ください。
特定技能|人手不足分野で受け入れる仕組み
現場の人手不足に対応する在留資格として整備されたのが特定技能です。一定の専門性・技能を持ち、即戦力として働ける外国人を受け入れる制度で、受け入れが認められる分野は定められています。介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業の16分野です。
特定技能には1号と2号があります。1号は在留期間の上限が定められており、家族の帯同は基本的に認められません。2号はより熟練した技能を要件とし、在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も可能です。2号の対象は、介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業を除く11分野とされています(介護分野には別に在留資格「介護」があります)。
受け入れる企業側には、支援計画の作成と実施が求められます。生活のオリエンテーション、住居の確保、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応などが含まれます。自社で対応することも可能ですが、登録支援機関に委託する企業が多いのが実情です。

特定技能で受け入れる際の実務
- 自社の業務が16分野に含まれるかを確認する:分野ごとに従事できる業務区分が細かく定められている
- 1号と2号の違いを理解する:在留期間の上限・家族帯同の可否が異なる
- 支援計画の作成と実施が必要:生活オリエンテーション・住居確保・日本語学習の機会・相談対応など
- 登録支援機関への委託を検討する:自社対応も可能だが、体制がなければ委託が現実的
- 分野ごとの協議会への加入が必要な場合がある:受け入れ前に所管省庁の案内を確認する
技能実習から育成就労へ|2027年4月1日の制度移行
外国人材の受け入れで、いま最も大きな変化が制度の移行です。技能実習制度は、育成就労法の施行にともない、2027年4月1日に育成就労制度へと移行します。
技能実習制度は、国際貢献のための技能移転を目的として設計された制度でしたが、実態として人手不足を補う労働力の受け入れになっている点や、原則として転籍が認められないことによる人権上の課題が長く指摘されてきました。育成就労制度は、こうした指摘を踏まえ、人材の育成と確保を制度の目的として明確に位置づけ、特定技能1号への移行を前提とした設計になっています。
受け入れ企業にとっての実務的な論点は、対象となる分野、転籍が認められる条件、そして現在受け入れている技能実習生の取り扱いです。既存の実習生については移行措置が設けられる方向で議論が進んでおり、詳細は順次公表されています。現在技能実習生を受け入れている企業、またはこれから受け入れを検討している企業は、出入国在留管理庁と所管省庁の公表情報を継続的に確認してください。

移行に向けて確認すべきこと
- 施行日は2027年4月1日。それまでに社内の受け入れ体制と契約の見直しが必要になる
- 対象分野を確認する:特定技能の分野を基礎としつつ、対象外となる分野・職種がある
- 転籍の条件を理解する:一定の要件のもとで本人の意向による転籍が認められる方向
- 現在受け入れ中の実習生の扱いを確認する:移行措置の内容は順次公表されている
- 監理団体・登録支援機関との契約を見直す:制度移行にともない役割と要件が変わる
留学生の採用|アルバイトと、卒業後の就職
地域に大学や専門学校がある場合、留学生は現実的な採用の選択肢になります。ただし、アルバイトとして雇う場合と、卒業後に正社員として雇う場合では、必要な手続きがまったく異なります。
在学中のアルバイトは、在留資格「留学」のままでは就労が認められないため、資格外活動許可を得ている必要があります。この許可には就労時間の上限が定められており、上限を超えて働かせると、本人の在留資格にも、企業側にも問題が生じます。在留カードの裏面や資格外活動許可書で、許可の有無と内容を必ず確認してください。
卒業後に正社員として採用する場合は、在留資格の変更が必要になります。多くの場合は「技術・人文知識・国際業務」への変更となりますが、この資格は専門的な知識を要する業務が対象であり、単純作業のみに従事する場合は認められません。採用を決める前に、任せたい業務が該当するかを確認しておく必要があります。手続きには時間がかかるため、内定から入社までのスケジュールにも余裕を持たせてください。

留学生を雇うときの確認事項
- 在学中は資格外活動許可が必須:許可がなければ働かせることはできない
- 就労時間の上限を管理する:上限を超えると本人と企業の双方に問題が生じる
- 複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は合算される:自社の勤務時間だけを見ても足りない
- 卒業後の就職には在留資格の変更が必要:多くは「技術・人文知識・国際業務」への変更
- 単純作業のみでは認められない:任せたい業務が資格の対象になるか事前に確認する
受け入れ体制|言葉・生活・職場の3つを整える
在留資格の手続きが整っても、受け入れ体制がなければ定着しません。外国人材の早期離職の理由は、仕事内容そのものよりも、生活面の困りごとや、職場でのコミュニケーションにあることが多いためです。
言葉の面では、業務指示の伝え方を見直す必要があります。日本語能力試験の資格があっても、現場の専門用語や省略された言い回しは通じないことがあります。作業手順を写真や図で示す、重要な指示は書面でも渡す、「分かりましたか」ではなく「何をするか説明してください」と確認する。こうした工夫は、日本人の新人教育にもそのまま効きます。
生活面では、住居の確保、銀行口座の開設、役所での手続き、医療機関の受診といった場面で支援が必要になります。また、職場の側にも準備が要ります。受け入れる部署に事前に説明し、誰が窓口になるのかを決めておかないと、現場が戸惑い、本人も孤立します。
定着のために整えること
- 指示は視覚化する:写真・図・動画で手順を示す。口頭だけの指示は誤解のもとになる
- 理解の確認方法を変える:「分かりましたか」ではなく、本人の言葉で説明してもらう
- 生活面の支援を決めておく:住居・口座開設・役所の手続き・医療機関の受診
- 社内の窓口を決める:困ったときに誰に相談すればよいかを本人と現場の双方に伝える
- 受け入れる部署に事前説明する:現場が知らされないまま配属されると、双方が戸惑う
法令違反のリスクと、企業がやってはいけないこと
外国人雇用には、日本人の雇用にはない法的リスクがあります。最も重いのが不法就労助長罪です。在留資格を持たない人や、資格の範囲外の仕事をさせた場合、企業側も処罰の対象になります。「知らなかった」という主張は、確認を怠った場合には通用しません。
また、外国人を雇い入れたときと離職したときには、ハローワークへの届出が必要です。これは雇用対策法に基づく義務で、怠ると過料の対象となります。
労働関係の法令は、日本人と同様に適用されます。最低賃金、労働時間の上限、割増賃金、年次有給休暇、社会保険の加入。これらに国籍による例外はありません。「外国人だから安く雇える」という発想は、法的にも実務的にも成り立ちません。パスポートや在留カードを会社が預かる行為も、認められないものとして繰り返し指摘されています。
絶対に避けるべき対応
- 在留カードを確認せずに雇う:確認を怠った場合、不法就労助長罪に問われる可能性がある
- 資格の範囲外の業務をさせる:本人の在留資格の取り消しにもつながる
- ハローワークへの届出を怠る:雇い入れ時・離職時ともに届出義務がある
- パスポート・在留カードを会社が預かる:認められない対応として繰り返し指摘されている
- 国籍を理由に労働条件を下げる:最低賃金・労働時間・社会保険に国籍による例外はない
まとめ
- 外国人採用の出発点は在留カードの確認。資格の範囲外の業務をさせると企業側が罰則の対象になる
- 身分に基づく在留資格(永住者・定住者など)は就労制限がなく、中小企業にとって現実的な選択肢
- 特定技能の受け入れは16分野。特定技能2号の対象は11分野
- 技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度へ移行する。既存の受け入れ企業は移行措置の確認が必要
- 留学生のアルバイトは資格外活動許可と就労時間の上限管理が前提
- 労働関係法令に国籍による例外はない。最低賃金・労働時間・社会保険は日本人と同じ
外国人材の受け入れは、在留資格の判断と支援体制の準備が要となります。自社の職種で受け入れが可能かどうかの整理から、採用計画全体の設計まで、シンミドウでもご相談を承っています。
著者:株式会社シンミドウ 採用支援チーム
株式会社シンミドウは埼玉県さいたま市に本社を置き、県内を中心とした中小企業の採用と人材育成を支援しています。新卒採用のコンサルティング、採用サイト・採用動画の制作、合同説明会の運営、社員研修までを自社で手がけており、本連載は日々の支援のなかで実際にご相談の多いテーマを整理したものです。なお本記事は2026年9月時点で公表されている制度情報をもとに構成しています。法令・助成金・採用スケジュールは改正や年度ごとの変更があるため、実際の運用にあたっては厚生労働省・ハローワーク・所轄の労働局など公式の情報で最新の内容を必ずご確認ください。
この連載の記事
- ① 応募が来ないのは求人の書き方ではないかもしれない|9つの選択肢と選び方
- ② 高卒採用の始め方|スケジュール・一人一社制・学校との関係
- ③ パート・アルバイト採用の設計|時給・年収の壁・シフトと定着
- ④ 子育て世代の採用と定着|短時間勤務・ブランク・両立支援
- ⑤ シニア採用と65歳以降の戦力化|役割と賃金の再設計
- ⑥ 外国人材の採用|在留資格の全体像と育成就労制度への備え(この記事)
- ⑦ 障害者雇用の始め方と定着|職域の切り出しと支援機関の使い方
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- ⑨ 副業・フリーランス人材の活用|雇用以外で戦力を確保する
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