高卒採用の始め方 完全ガイド|スケジュール・一人一社制・学校との関係を中小企業向けに解説【2027年3月卒対応】
No.1新卒採用コンサル社数・県内内定者数 埼玉県内No.1(2026年6月期・日本マーケティングリサーチ機構調べ)
2026年6月期_埼玉県に本社がある新卒支援企業における市場調査/調査機関:日本マーケティングリサーチ機構/調査期間:2026年4月3日~2026年6月16日/調査概要:主要12社(当社調べ)を対象とした独自調査/競合選定条件:次の①及び②を満たすもの ①「埼玉県本社の新卒支援会社」上位1-100(検索エンジン:Google、抽出日2026年02月17日)のうちコーポレートサイトがあるもの ②埼玉県に本社がある新卒支援企業の利用経験者100名を対象としたアンケート結果にて、利用検討者率が5%以上のもの又は自由回答における利用検討者率5%以上のもの/調査手法:公開情報および関係者へのヒアリング等を基に、累計データを比較・検証したものです。実際の数値とは異なる場合がございます。/備考:2026年6月時点/効果効能等や優位性を保証するものではございません。
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この記事の結論
高卒採用は「求人を出して待つ」採用ではなく、学校とハローワークを通す採用です。スケジュールは全国共通で決まっているため、7月1日の求人票公開までに準備が終わっていないとその年は勝負にならないと考えてください。
本記事でわかること
- 2027年3月卒は、ハローワークの求人申込受付が6月1日、学校への求人票提出・学校訪問の開始が7月1日、応募書類の提出開始が9月5日、選考開始が9月16日
- 多くの都道府県で、一定期間は生徒が1社しか応募できない「一人一社制」の運用がある
- 応募は生徒が直接するのではなく、学校の推薦を経て届く。だから会社の情報は生徒ではなく先生に届ける必要がある
- 初年度で採用できなくても失敗ではない。学校訪問の1年目は関係づくりと割り切ったほうが結果的に早い
📑 Contents
高卒採用が中途・大卒採用とまったく違う3つの理由
高卒採用に初めて取り組む会社がつまずくのは、これまでの採用のやり方がほぼ通用しないからです。仕組みそのものが違います。
第一に、募集の入口が限定されています。高校生への求人は、まずハローワークに求人票を申し込み、内容の確認を受けたうえで学校に提出する流れが基本です。一般の求人サイトに「高校生歓迎」と載せて直接応募を受け付けることはできません。
第二に、日程が全国共通で決まっています。企業が早く動きたくても、定められた日より前に生徒へ接触したり選考したりすることはできません。第三に、応募は学校の推薦を経てきます。生徒が自由に何十社も受けるのではなく、進路指導の先生が生徒と面談し、適していると判断した会社に推薦する形が中心です。つまり、会社の魅力を届ける相手は生徒であると同時に、先生でもあります。

中途・大卒採用との違いを押さえる
- 入口が違う:ハローワークへの求人申込と学校への求人票提出が原則。求人サイトからの直接応募は基本的にできない
- 日程が違う:応募・選考の解禁日が全国で決まっている。早く動くことが有利にならない
- 応募経路が違う:生徒本人ではなく学校の推薦を経て届く。先生に理解されていない会社には推薦が回らない
- 選考回数が違う:多くの場合、面接は1回。短時間で見極める設計が必要
- 情報量が違う:生徒が見ているのは求人票と会社見学。ここに情報がなければ検討の土俵に乗らない
2027年3月卒のスケジュールと、逆算した準備
厚生労働省が公表している2027年3月新規高等学校卒業者の採用選考期日等によれば、ハローワークによる求人申込書の受付開始が6月1日、企業から学校への求人申込・学校訪問の開始が7月1日、学校から企業への応募書類提出の開始が9月5日、企業の選考開始・採用内定の開始が9月16日となっています(沖縄県は応募書類の提出開始が8月30日)。
ここから逆算すると、実務上の山場は7月1日です。この日から求人票が学校に並び、先生と生徒が会社を比較し始めます。6月中にハローワークでの求人申込を済ませ、求人票の内容を確定させておかなければ、スタートラインに立てません。
さらにその前段として、4月から5月にかけて社内の準備が必要です。採用する人数と職種、初任給と手当、教育の担当者、会社見学の受け入れ日程。これらが決まっていないと求人票は書けません。初年度は特に、この社内調整に思ったより時間がかかります。
なお、9月以降にこの記事をお読みの場合、その年度の選考はすでに始まっています。いまから着手するなら、対象は翌年3月卒(2027年9月に選考する2028年3月卒)になります。ただし、年内に学校へ挨拶に伺い、自社を知ってもらうところから始めておくと、翌年6月からの動きがまるで違います。求人の申込が始まってから初めて学校を訪ねる会社と、半年前から顔を出している会社とでは、先生から見た印象が大きく変わるためです。

月別の準備(2027年3月卒の場合)
- 4〜5月:採用人数・職種・初任給・教育担当を決める/会社見学の受け入れ日程を押さえる/就業規則を確認する
- 6月1日〜:ハローワークに求人申込書を提出する。記載内容の確認と修正でやり取りが発生する前提で早めに動く
- 7月1日〜:学校へ求人票を提出し、学校訪問を開始する。近隣校から順に回る
- 7〜8月:会社見学・職場体験を受け入れる。生徒が実際に働く場所を見る唯一の機会になることが多い
- 9月5日〜:応募書類の受付。9月16日〜:選考・内定。内定後は入社まで半年あるため、フォローの設計まで含めて計画する
2027年3月新規高卒者の採用スケジュール(全国共通)
| 時期 | できること | 企業側の実務 | 遅れると起きること |
|---|---|---|---|
| 4〜5月 | 社内準備 | 採用人数・職種・初任給・教育担当を決定 | 求人票が書けず6月の申込に間に合わない |
| 6月1日〜 | ハローワークへの求人申込受付開始 | 求人申込書を提出し、内容の確認を受ける | 7月1日に学校へ求人票を出せない |
| 7月1日〜 | 学校への求人申込・学校訪問の開始 | 近隣校から訪問。求人票を届け、見学を案内する | 先生の記憶に残らないまま選考期に入る |
| 7〜8月 | 会社見学・職場体験の受け入れ | 現場を見せる。若手社員と話す時間を作る | 生徒が働く姿を想像できず応募に至らない |
| 9月5日〜 | 学校から企業への応募書類提出の開始 | 書類の受付体制を整える | 受付の遅れが学校の信頼を損なう |
| 9月16日〜 | 選考開始・採用内定の開始 | 面接(多くは1回)と内定通知 | 内定通知が遅れると他社に流れる |
| 10月〜3月 | 内定者フォロー | 月1回程度の連絡、保護者への情報提供、入社前見学 | 入社前の不安が離職につながる |
※ 沖縄県は応募書類の提出開始が8月30日です。一人一社制の取り扱いなど地域固有のルールは都道府県ごとに異なるため、所轄のハローワークまたは学校に必ずご確認ください。
一人一社制と学校推薦|「1回で決まる」前提の設計
高卒採用でよく話題になるのが一人一社制です。これは選考の初期の一定期間、生徒が同時に応募できる会社を1社に限る運用のことで、生徒の学業への影響を抑え、進路指導を通じた丁寧なマッチングを行うために続けられてきました。
この期間と取り扱いは都道府県ごとに異なり、多くの地域では9月の一定期間を1人1社とし、10月以降は複数社への応募を認める形が取られています。毎年、各都道府県の高等学校就職問題検討会議などで申し合わせが行われ、内容が公表されますので、自社の地域の取り扱いは必ずハローワークか学校に確認してください。
企業側にとって重要なのは、この仕組みが「生徒は一度に1社しか受けられない=推薦をもらえた時点で、ほぼ決まりに近い」という構造を生んでいる点です。だからこそ、先生が安心して生徒を送り出せる会社かどうかが決定的に効いてきます。求人票の情報が薄い、見学を受け入れない、過去に採用した生徒が短期間で辞めている。こうした要素は、生徒の目に触れる前の段階で推薦から外れる理由になります。

推薦をもらえる会社になるために確認すること
- 求人票を埋めきる:仕事内容を「製造」の一語で終わらせない。1日の流れ・使う道具・配属先の人数まで書く
- 会社見学を受け入れる:夏休み期間の見学は、生徒が働く現場を見る最大の機会。断ると比較の対象から外れやすい
- 入社後の教育を明示する:誰が教えるか、最初の3か月で何を覚えるか。先生がいちばん気にする点
- 過去に採用した生徒の状況を説明できるようにする:定着しているかどうかは、次の推薦に直結する
- 卒業までのフォローを決めておく:内定から入社まで半年ある。連絡が途絶えると不安が募る
求人票と会社見学|高校生が見ているのはここ
高校生が会社を判断する材料は、大学生に比べて圧倒的に少ないのが実情です。自分で企業研究をする時間も手段も限られており、実質的には求人票と会社見学、そして先生の言葉がすべてになります。だからこそ、この2つの情報量を上げることが最も効果的な打ち手になります。
求人票では、抽象的な職種名を避けることが第一です。「製造スタッフ」ではなく、何を作っていて、どの工程を担当し、どんな道具を使い、誰と働くのかまで書きます。高校生は「工場で働く自分」を具体的に想像できないと応募に至りません。初任給・休日・残業の実績も、曖昧にすると先生の段階で候補から落ちます。
会社見学は、応募につながる最も強い接点です。きれいな会議室で説明を聞かせるより、実際に働いている場所を歩き、年齢の近い社員と話せる時間を作るほうが効果があります。入社2〜3年目の社員に話してもらうと、生徒は自分の3年後を具体的に想像できます。

求人票と会社見学で押さえる項目
- 仕事内容:1日の流れを時間軸で書く(朝礼→段取り→作業→片付け)。写真が使えるなら現場の写真を使う
- 待遇:初任給・手当・賞与・休日・残業の実績を具体的に。曖昧な表記は不信につながる
- 教育:入社後3か月・半年・1年で何ができるようになるかを段階で示す
- 見学:会議室ではなく現場を見せる。年齢の近い先輩社員と話す時間を10分でも作る
- 持ち帰れるもの:会社案内やパンフレットを渡す。生徒は家に帰って保護者に説明する必要がある
内定から入社までの半年をどう埋めるか
高卒採用では、9月に内定が出てから翌年4月の入社まで、約半年の空白があります。この期間の関わり方で、入社時の状態も、その後の定着も変わります。連絡がまったくないまま4月を迎えると、本人の不安が膨らみ、入社直後の離職につながることがあります。
とはいえ、学校生活の妨げになるような頻繁な呼び出しは避けるべきです。現実的なのは、月に1回程度の手紙やメッセージ、冬休みや春休みに1回の集まり、入社前の職場見学といった頻度です。内容も研修めいたものである必要はなく、「会社が自分を待ってくれている」と感じられれば十分です。
あわせて、保護者への説明も忘れないでください。高校生の進路選択には保護者の意向が強く影響します。内定通知や会社案内を保護者にも読める形で送っておくと、家庭内での不安が減り、入社までの離脱を防ぎやすくなります。
内定後フォローの現実的な設計
- 月1回程度の連絡:手紙・メッセージ・社内報など。学業の妨げにならない頻度にとどめる
- 冬休み・春休みに1回の接点:先輩社員との顔合わせ、簡単な職場見学。強制にはしない
- 保護者にも届く形で情報を送る:会社案内・仕事内容・入社後の教育計画
- 入社前に必要なものを早めに伝える:資格・免許・準備物。直前に伝えると家庭の負担になる
- 入社後の受け入れ担当を、内定期間中から決めておく:4月に慌てて決めると教育が始まらない
初年度に成果が出なくても、やめるべきではない理由
高卒採用は、初年度に採用できないことが珍しくありません。7月に初めて訪問した会社が、その年の9月に推薦をもらえる可能性は決して高くないからです。先生の側から見れば、初めて名前を聞いた会社に生徒を送り出す判断は簡単ではありません。
一方で、2年目以降の伸びは大きい採用でもあります。1年目に訪問し、求人票を出し、見学を受け入れた実績があれば、2年目の訪問は「昨年もいらっしゃった会社」として迎えられます。実際に生徒を採用し、その生徒が定着すれば、3年目以降は先生のほうから声がかかるようになることもあります。
だからこそ、初年度の評価軸を「採用できたかどうか」に置かないことをおすすめします。訪問できた学校数、求人票を受け取ってもらえた学校数、見学に来てくれた生徒の人数。これらを記録しておくと、翌年の打ち手が具体的になり、社内でも継続の判断がしやすくなります。
初年度に記録しておくべきこと
- 訪問した学校名・訪問日・対応してくれた先生の名前と印象
- 求人票を受け取ってもらえたか、掲示してもらえたか
- 会社見学の申し込み数と、実際に来た生徒の人数
- 先生から受けた質問と指摘(ここに翌年の改善点がそのまま入っている)
- 採用数がゼロでも、上の4つが積み上がっていれば取り組みは前進している
まとめ
- 高卒採用はハローワークと学校を通す採用。求人サイトからの直接応募は基本的にできない
- 2027年3月卒は、求人申込受付が6月1日、学校への求人票提出・学校訪問が7月1日、応募書類提出が9月5日、選考開始が9月16日
- 実務上の山場は7月1日。社内の意思決定は4〜5月に終わらせておく
- 応募は学校の推薦を経て届くため、情報を届ける相手は生徒と先生の両方
- 生徒の判断材料は求人票と会社見学しかない。仕事内容を1日の流れで書き、現場を見せる
- 初年度は採用数ではなく、訪問校数・見学者数・先生からの指摘で評価する
高卒採用は準備の量が成果を決める採用です。求人票の書き方や学校訪問で使う会社説明資料の設計は、シンミドウでも制作からご支援しています。
著者:株式会社シンミドウ 採用支援チーム
株式会社シンミドウは埼玉県さいたま市に本社を置き、県内を中心とした中小企業の採用と人材育成を支援しています。新卒採用のコンサルティング、採用サイト・採用動画の制作、合同説明会の運営、社員研修までを自社で手がけており、本連載は日々の支援のなかで実際にご相談の多いテーマを整理したものです。なお本記事は2026年9月時点で公表されている制度情報をもとに構成しています。法令・助成金・採用スケジュールは改正や年度ごとの変更があるため、実際の運用にあたっては厚生労働省・ハローワーク・所轄の労働局など公式の情報で最新の内容を必ずご確認ください。
この連載の記事
- ① 応募が来ないのは求人の書き方ではないかもしれない|9つの選択肢と選び方
- ② 高卒採用の始め方|スケジュール・一人一社制・学校との関係(この記事)
- ③ パート・アルバイト採用の設計|時給・年収の壁・シフトと定着
- ④ 子育て世代の採用と定着|短時間勤務・ブランク・両立支援
- ⑤ シニア採用と65歳以降の戦力化|役割と賃金の再設計
- ⑥ 外国人材の採用|在留資格の全体像と育成就労制度への備え
- ⑦ 障害者雇用の始め方と定着|職域の切り出しと支援機関の使い方
- ⑧ 第二新卒・既卒の採用|新卒が採れない会社の現実的な打ち手
- ⑨ 副業・フリーランス人材の活用|雇用以外で戦力を確保する
- ⑩ 採用計画と採用予算の作り方|どの層に、いくら、いつ配分するか
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