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この記事の結論

AI検索は相対評価です。自社が挙がらないのは情報が足りないからというより、挙がっている会社のほうが条件に合う材料を多く持っているからです。多くのAIは回答の根拠URLを示すため、「なぜその会社が選ばれたのか」は推測ではなく確認できます。質問リストと記録表があれば、社内で実施できます。

本記事でわかること

  • 質問リストの作り方(指名・条件つき・課題ベースの3種類)
  • 複数のAIで測るときの実施条件と、回答のブレの扱い方
  • 記録する8項目と、根拠URLがなぜ最重要なのか
  • 引用元を5分類し、差分を具体的な作業に変換する方法

AI検索は相対評価|自社だけを見ても答えは出ない

自社サイトを改善したのに、AIに聞いても相変わらず競合ばかりが挙がる。この状況で足りていないのは、多くの場合、自社の情報量ではなく比較の視点です。

AIが「◯◯市でおすすめの会社は」という質問に答えるとき、候補になり得る会社の情報を突き合わせたうえで、数社を挙げます。自社が挙がらないということは、自社の情報が不足しているというより、挙がっている会社のほうが条件に合致する材料を多く持っている、ということです。

したがって、改善の出発点は「自社に何が足りないか」ではなく、「挙がっている会社は何を持っているか」を見ることになります。これは推測ではなく、実際に調べれば分かります。AIの多くは、回答の根拠として参照したURLを示すためです。

この調査は外注しなくても社内でできます。必要なのは、質問リストと、記録を残す表と、2〜3時間です。以下、5つのステップに分けて手順を説明します。

AI検索は相対評価|自社だけを見ても答えは出ない

相対評価という前提

  • AI検索は自社単体ではなく、候補群の中での相対評価
  • 改善の起点は「挙がっている会社が何を持っているか」
  • 多くのAIは回答の根拠URLを示すため、実際に確認できる
  • 質問リストと記録表があれば社内で実施できる

STEP1|質問リストを作る(10〜15問)

調査の質は、質問の作り方でほぼ決まります。思いつきで聞くのではなく、実際の見込み客が使う言葉で、検討の段階ごとに質問を用意します。

まず、指名の質問です。「株式会社◯◯について教えて」「◯◯という会社はどんな会社」。自社がどう説明されるかを確かめる質問で、2〜3問用意します。

次に、条件つきの質問です。ここが本体になります。「◯◯市で注文住宅を建てるならどこがいい」「◯◯県で二世帯住宅に強い工務店は」「予算◯◯万円台で家を建てられる会社を教えて」といった、地域・商材・予算・特徴を組み合わせた質問を7〜10問。

さらに、課題ベースの質問も入れます。「土地がない状態から家を建てる相談はどこにすればいい」「今の家の建て替えとリフォームで迷っている」のように、会社名も業種名も出てこない、悩みの状態から始まる質問です。検討の初期段階を拾えるため、2〜3問用意します。

重要なのは、この質問リストを固定して以後ずっと使い回すことです。毎回違う質問をすると、変化なのかブレなのかが判断できません。一度決めたら、少なくとも1年は同じセットで測り続けます。

STEP1|質問リストを作る(10〜15問)

質問リストの構成

  • 指名の質問2〜3問(自社がどう説明されるか)
  • 条件つきの質問7〜10問(地域・商材・予算・特徴の組み合わせ)
  • 課題ベースの質問2〜3問(業種名が出てこない悩みからの質問)
  • 質問セットは固定し、1年は同じもので測り続ける

STEP2|複数のAIで、同じ質問を投げる

1つのAIだけで判断しないことが重要です。AIごとに参照する情報源も、回答の作り方も異なるため、1つで挙がらなくても別のAIでは挙がる、ということが普通に起こります。

最低限おさえたいのは、Claude、ChatGPT、Perplexity、そしてGoogleのAI Overview(検索結果上部の要約)の4つです。余力があればGeminiとMicrosoft Copilotも加えます。

実施時の注意点が3つあります。1つ目は、ウェブ検索を有効にした状態で使うことです。AIによっては、その場でウェブを見に行く機能をオンにしないと、学習時点の古い知識だけで答えることがあります。

2つ目は、同じ質問を1回ではなく2〜3回繰り返すことです。AIの回答は同じ質問でも毎回まったく同じにはなりません。1回の結果を「これが答え」と受け取ると判断を誤ります。

3つ目は、過去のやり取りの影響を受けない状態で聞くことです。同じ会話の中で続けて質問すると、前の話題に引きずられます。質問ごとに新しい会話を開始してください。自社について事前に説明してから聞くのも、結果が歪むため避けます。

STEP2|複数のAIで、同じ質問を投げる

実施時の3つの注意点

  • Claude・ChatGPT・Perplexity・AI Overviewの4つは最低限おさえる
  • ウェブ検索機能を有効にした状態で実施する
  • 同じ質問を2〜3回繰り返し、ブレの幅も見る
  • 質問ごとに新しい会話を開始する(前の文脈に引きずらせない)

STEP3|出現した会社と、根拠URLを記録する

記録がなければ調査は成立しません。とはいえ、凝った管理表は続かないので、表計算ソフトで1枚あれば十分です。

列は次の8つを用意します。実施日、AI名、質問文、自社が挙がったか(○×)、自社が挙がった場合の順番(1番目・2番目など)、同時に挙がった他社名、AIが示した根拠URL、そして自社の説明に誤りがあった場合のメモ。

根拠URLは、この調査で最も価値のある情報です。AIが何を見てその回答を作ったかが分かるため、「なぜその会社が選ばれたのか」を推測ではなく確認できます。URLは短縮せず、そのまま全文を記録してください。

自社の説明に誤りがあった場合も、必ず原文のまま残します。「創業年が違う」ではなく、AIが実際に書いた文章をコピーして貼ります。あとで原因をたどるとき、どの情報源から来た誤りかを特定する手がかりになります。

10〜15問 × 4つのAI × 2〜3回で、30〜180行程度の記録になります。1回目は時間がかかりますが、2回目以降は同じ表に追記していくだけなので、1時間程度で回せるようになります。

STEP3|出現した会社と、根拠URLを記録する

記録する8項目

  • 実施日・AI名・質問・自社の登場有無・順番・他社名・根拠URL・誤りメモ
  • 根拠URLは調査で最も価値のある情報。全文で残す
  • 誤った説明はAIの原文をそのままコピーして保存する
  • 1回目は数時間、2回目以降は1時間程度で回せる

記録表の列(1試行=1行)

記録する内容 使いみち
実施日 調査した日付 時系列での変化を見る
AI名 Claude / ChatGPT / Perplexity など AIごとの差を把握する
質問文 投げた質問(一字一句そのまま) 条件を固定して比較できるようにする
自社の登場 ○× 出現率の分子になる
登場した順番 1番目・2番目など 候補内での位置を見る
他社名 同時に挙がった会社 競合の特定
根拠URL AIが示した参照先(短縮せず全文) 選ばれた理由の特定。最重要の列
誤りメモ 誤った説明をAIの原文のまま 誤情報の発生源をたどる

STEP4|引用元を「種類」で分類する

記録が集まったら、根拠URLを種類ごとに分類します。ここで、競合が何によって選ばれているかの構造が見えてきます。

分類は5つで足ります。A:その会社自身のホームページ。B:業界ポータル・比較サイト。C:口コミサイト・SNS。D:第三者メディア・ニュース・プレスリリース。E:団体・自治体・公的機関の一覧。

そのうえで、競合各社が各分類でいくつ引用されているかを数えます。たとえば、A社はポータル(B)からの引用が多い、B社は自社サイト(A)と口コミ(C)で構成されている、といった傾向が出ます。

この分布が、そのまま自社の打ち手になります。競合がポータル経由で挙がっているなら、自社も同じポータルに掲載されているか、掲載情報が最新かを確認する。競合が自社サイトの特定ページで挙がっているなら、そのページを開いて、何がどう書かれているかを実際に読む。

特に注目したいのは、自社が持っていない種類の引用元です。自社サイトからしか引用されていない状態は、情報の裏づけが自己申告のみという意味になります。この場合、外部での言及を増やすことが最優先の課題になります。

STEP4|引用元を「種類」で分類する

引用元の5分類

  • 引用元を「自社サイト/ポータル/口コミ/メディア/公的機関」の5分類に
  • 競合ごとの引用元の分布を数える
  • 自社が持っていない種類の引用元が、最も大きな差になっている
  • 自社サイトからしか引用されていない=自己申告のみの状態

STEP5|差分を、具体的な作業に変換する

最後のステップは、調査結果を作業に落とすことです。ここを曖昧にすると、調べただけで終わります。

変換のルールは単純です。「競合が持っていて自社が持っていないもの」を1つずつ、誰が・いつまでに・何をするかの形に書き直します。

たとえば、競合がポータルAから多く引用されているのに自社は未掲載なら、「ポータルAの掲載条件と費用を確認する(担当:◯◯、今月中)」。競合の施工事例ページに価格帯が書かれているのに自社は空欄なら、「直近12件の事例に価格レンジを追記する(担当:◯◯、来月末まで)」。

このとき、すべてを同時にやろうとしないことが重要です。調査すると課題が20も30も出てきますが、実行できるのはせいぜい月に2〜3件です。効果の大きさと着手のしやすさで並べ替え、上から順に片づけます。

そして、3か月後に同じ質問セットでもう一度調査します。自社の登場回数、説明の正確さ、引用元の種類がどう変わったかを、最初の記録と並べて見ます。この繰り返しが、AI検索対策の実務そのものになります。

作業への落とし込み方

  • 差分を「誰が・いつまでに・何をするか」に書き直す
  • 課題は20〜30出るが、月に実行できるのは2〜3件
  • 効果の大きさ×着手しやすさで並べ替えて上から片づける
  • 3か月後に同じ質問セットで再調査し、最初の記録と比較する

まとめ

  • 改善の起点は「自社に何が足りないか」ではなく「競合が何を持っているか」
  • 質問セットは一度決めたら固定する。毎回変えると変化とブレを区別できない
  • ウェブ検索を有効にし、質問ごとに新しい会話で、事前説明なしで聞く
  • 根拠URLを5分類すると、競合が何で選ばれているかの構造が見える
  • 課題は20〜30出るが、実行できるのは月2〜3件。並べ替えて上から片づける

この調査は社内でも実施できますが、最初の1回だけ外から見てほしいという場合は、同エリア競合との差の整理まで含めた無料の診断をご利用ください。

著者:株式会社シンミドウ

埼玉県さいたま市を拠点とする経営・採用・デジタルマーケティングのコンサルティング会社(2008年設立)。中小企業を中心に、戦略立案から実行支援まで一気通貫で支援しています。テレビ埼玉「彩の国 就活天国!!」の番組監修、採用管理ツール「taskaru」の提供のほか、住宅・建設業を中心に1,200社以上の支援実績があります。AI検索対策については、まず自社サイトで実装・検証を行っており、2026年5月時点で Felo「埼玉 採用支援 会社 おすすめ」、ChatGPT「さいたま市 採用コンサルティング」、Perplexity「埼玉 製造業 採用 支援」で1位を獲得しています。本記事は、その実装で分かったことをもとに書いています。

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