副業・兼業の労務管理 完全ガイド|就業規則・労働時間の通算・健康管理・情報漏えい対策を中小企業向けに解説【2026年版】
No.1新卒採用コンサル社数・県内内定者数 埼玉県内No.1(2026年6月期・日本マーケティングリサーチ機構調べ)
2026年6月期_埼玉県に本社がある新卒支援企業における市場調査/調査機関:日本マーケティングリサーチ機構/調査期間:2026年4月3日~2026年6月16日/調査概要:主要12社(当社調べ)を対象とした独自調査/競合選定条件:次の①及び②を満たすもの ①「埼玉県本社の新卒支援会社」上位1-100(検索エンジン:Google、抽出日2026年02月17日)のうちコーポレートサイトがあるもの ②埼玉県に本社がある新卒支援企業の利用経験者100名を対象としたアンケート結果にて、利用検討者率が5%以上のもの又は自由回答における利用検討者率5%以上のもの/調査手法:公開情報および関係者へのヒアリング等を基に、累計データを比較・検証したものです。実際の数値とは異なる場合がございます。/備考:2026年6月時点/効果効能等や優位性を保証するものではございません。
経営のご相談
「何が課題か」の整理から、成果まで伴走します。
シンミドウは埼玉・大宮を拠点に2008年から中小企業の経営・採用・マーケティングを支援。戦略立案から実行支援まで一気通貫で、御社の課題解決に伴走します。
無料相談を申し込む →サービス詳細:経営コンサルティング支援
📑 Contents
副業・兼業とは|企業を取り巻く状況と、容認の流れ
副業・兼業とは、従業員が本業を持ちながら、別の会社で働いたり、自ら事業を営んだりすることを指します。まず状況と流れを整理します。
ポイント1「国は促進の方向」では、働き方改革のなかで、国は副業・兼業を推進しており、企業向けのモデル就業規則も、かつての『原則禁止』から『原則容認』へと見直されました。副業を認めることが、時代の前提になりつつあります。
ポイント2「なぜ企業に関係するのか」では、副業を認めるかどうかは各企業の判断ですが、認めるなら労働時間や健康の管理といった責任が生じ、認めない場合もその理由の合理性が問われます。『黙認』のまま放置するのが、実はいちばんリスクが高い状態です。
ポイント3「企業にとってのメリット」では、副業を認めることは、優秀な人材の確保・定着や、従業員のスキル向上につながります。また、他社の人材を副業として受け入れれば、人手不足のなかで専門人材を活用できます。副業は『管理が面倒なもの』ではなく、ルールを整えれば人材戦略の武器になります。まずは自社の方針を、感覚ではなく明文化することが出発点です。多様な働き方を受け入れる姿勢は、人材の定着や採用力にも通じます。

重要なポイント:
- 副業・兼業とは|本業を持ちつつ別で働く・事業を営む
- 国は促進の方向|モデル就業規則も原則容認へ
- 企業のメリット|人材の確保・定着・スキル向上・専門人材活用
企業が判断すべきこと|就業規則と、制限できるケース
副業への対応は、就業規則で明確なルールを定めることから始まります。整理します。
ポイント1「許可制か届出制か」では、副業を認めるにあたり、事前に会社の許可を必要とする『許可制』か、届け出れば足りる『届出制』かを決めます。従業員の副業の状況を把握できるよう、少なくとも届出のルールは設けるのが一般的です。
ポイント2「原則は容認、ただし制限できる場合がある」では、副業は原則として認める方向が求められますが、一定の場合には制限・禁止が認められると考えられています。具体的には、本業の労務提供に支障が生じる場合、企業秘密が漏えいする場合、競業により自社の利益が害される場合、会社の名誉・信用を損なう場合などです。
ポイント3「制限は合理的な範囲で」では、『なんとなく心配だから一律禁止』は、副業促進の流れのなかで合理性を欠くと見られかねません。制限するなら、上記のような具体的な理由に基づく必要があります。
ポイント4「就業規則に明記する」では、許可・届出の手続き、認めない場合の基準、届出事項(副業先・業務内容・労働時間など)を就業規則に明記します。ルールが明文化されていれば、従業員も会社も判断に迷わず、トラブルを防げます。まずは自社の就業規則が副業にどう対応しているかを確認することが第一歩です。

重要なポイント:
- 許可制か届出制か|少なくとも届出のルールは設ける
- 制限できるケース|本業への支障・情報漏えい・競業・信用毀損
- 一律禁止は避け、就業規則に手続き・基準を明記する
労働時間の通算|自社+副業先の合算管理
副業の労務管理でとくに難しいのが、労働時間の扱いです。整理します(詳細な取り扱いは最新のガイドラインでご確認ください)。
ポイント1「労働時間は通算される」では、労働基準法上、事業主が異なる場合でも、労働時間は通算して管理するのが原則とされています。つまり、自社の労働時間と副業先の労働時間を合算して、法定労働時間や時間外労働を考える必要があるということです。
ポイント2「割増賃金の考え方」では、通算した結果、法定労働時間を超える部分については、時間外労働として割増賃金の対象になり得ます。どちらの事業主が負担するかなど、複雑な論点があるため、取り扱いを理解しておくことが重要です。
ポイント3「管理モデルという簡便な方法」では、企業ごとに他社の労働時間を都度把握して通算するのは負担が大きいため、あらかじめ各社の労働時間の上限を設定しておく『管理モデル』という簡便な方法が示されています。これを用いると、労働時間管理の実務負担を軽くできます。
ポイント4「まず副業先と時間を把握する」では、通算管理の前提として、従業員がどこで何時間働くかを、届出などで把握する仕組みが欠かせません。労働時間の通算は、副業対応のなかで最も専門的な部分です。自社だけで判断せず、ガイドラインや専門家を活用して、無理のない管理方法を設計することが現実的です。

重要なポイント:
- 原則|自社と副業先の労働時間は通算して管理する
- 割増賃金|通算で法定超過となる部分は時間外の対象に
- 管理モデル|各社の上限を先に決め、通算の負担を軽くする
健康管理・情報漏えい・競業|企業のリスク管理
副業を認める企業は、労働時間以外にも、いくつかのリスクに備える必要があります。整理します。
ポイント1「健康管理と安全配慮義務」では、本業と副業を合わせた労働時間が長くなれば、従業員の健康を損なうおそれがあります。企業は従業員に対して安全配慮義務を負うため、働きすぎになっていないか、健康状態に問題がないかを把握し、必要に応じて対応することが求められます。
ポイント2「情報漏えいの防止」では、副業を通じて、自社の企業秘密や顧客情報が外部に漏れるリスクがあります。秘密保持に関するルールを明確にし、届出の際に業務内容を確認するなど、情報管理の仕組みを整えることが重要です。
ポイント3「競業への対応」では、従業員が競合他社で副業をすると、自社の利益が害されるおそれがあります。競業に当たる副業をどう扱うかを、就業規則やルールであらかじめ定めておく必要があります。
ポイント4「本業への支障の確認」では、副業による疲労や時間の制約で、本業のパフォーマンスが落ちていないかを確認します。問題が生じた場合の対応(副業の見直しなど)も、ルールに含めておくと安心です。これらのリスク管理は、副業を『禁止する理由』ではなく、『安心して認めるための備え』として整えることがポイントです。ハラスメントのない職場づくりと同様、ルールと配慮の両輪で運用します。

重要なポイント:
- 健康管理|合算の長時間労働に注意、安全配慮義務を果たす
- 情報漏えい・秘密保持のルールと、届出での業務内容確認
- 競業・本業への支障への対応をあらかじめルール化する
社会保険・労災の扱い|複数就業のポイント
副業・兼業では、社会保険や労災保険の扱いにも、通常の雇用とは異なる論点があります。整理します(制度は改正で変わるため、詳細は最新の公的情報でご確認ください)。
ポイント1「労災保険の給付」では、複数の会社で働く人については、労災の給付を計算する際に、すべての就業先の賃金を合算して考える取り扱いが導入されています。また、複数の業務による負荷を総合的に評価する仕組みもあります。副業先での労災も含め、備えを理解しておくことが大切です。
ポイント2「社会保険の適用」では、厚生年金・健康保険への加入は、それぞれの勤務先で要件を満たすかどうかで判断されます。複数の会社で加入要件を満たす場合には、保険料の計算や手続きが複雑になることがあります。
ポイント3「雇用保険」では、雇用保険についても、複数就業に関する取り扱いが議論・整備されてきています。自社の従業員が副業する場合、こうした保険関係にどう影響するかを把握しておく必要があります。
ポイント4「手続きの確認」では、副業を認める・受け入れるにあたり、社会保険や労災の手続きで漏れがないかを確認します。これらは専門的な判断が必要な領域のため、社会保険労務士などの専門家に確認するのが確実です。保険関係は見落としやすい部分だからこそ、早めに整理しておくことが、後のトラブルを防ぎます。社会保険の適用範囲については、社会保険の適用拡大の解説もあわせて参考になります。

重要なポイント:
- 労災|複数就業者は全就業先の賃金合算で給付を計算
- 社会保険|各勤務先で要件判定、複数加入で手続きが複雑に
- 保険関係は見落としやすい→専門家に確認して漏れを防ぐ
中小企業が副業を戦力にする一手|ルール整備と外部活用
「副業を認めるべきなのは分かるが、管理が難しそうで踏み切れない」——これが多くの中小企業の本音です。副業を前向きに活用する一手を整理します。
一手1「まず方針とルールを決める」では、副業を認めるのか、認めるなら許可制か届出制か、制限する場合の基準は何かを決め、就業規則に明記します。あいまいな黙認をやめ、ルールを明文化することが、トラブル防止と人材確保の両面で効きます。
一手2「届出で状況を把握する仕組みをつくる」では、従業員がどこで何時間働くかを届け出てもらい、労働時間の通算や健康管理ができる状態にします。把握できていれば、過重労働や情報漏えいのリスクにも先回りできます。
一手3「副業人材の受け入れも選択肢にする」では、自社の従業員の副業を認めるだけでなく、他社の専門人材を副業として受け入れることも、人手不足対策として有効です。フルタイム採用が難しいスキルを、副業・業務委託の形で確保できます(業務委託で受け入れる場合はフリーランス保護新法の対応もあわせて確認)。
一手4「専門家と連携して整える」では、就業規則の整備、労働時間の通算、社会保険・労災の手続きなど、専門的な部分は社会保険労務士などと組むことで、正確かつ効率的に進められます。副業・兼業への対応は、単なる労務管理にとどまらず、多様な働き方を受け入れて人材を確保・定着させる、これからの経営に欠かせない土台づくりです。ルールを整えて、副業を『リスク』ではなく『戦力』に変えていきましょう。
重要なポイント:
- 一手1・2|方針と就業規則を定め、届出で状況を把握する
- 一手3|副業人材の受け入れで専門スキルを確保する
- 一手4|就業規則・労働時間・保険手続きは専門家と整える
経営コンサルティングのご相談はシンミドウへ
シンミドウでは、経営戦略立案・組織開発・事業改善まで、中小企業の経営課題に寄り添った総合的なコンサルティングを提供しています。お気軽にご相談ください。